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【バイオハザード ヴィレッジ】『7』から正当進化したシリーズ最新作をレビュー!

ゲームブログ

最新の技術で展開するバイオ最新作

バイオハザードシリーズはナンバリングはもちろん、正史に関わる派生作品は全て遊んできたTOKですが、基本的に一番好きな作品は最新作というのが私の感想です。

ナンバリング8作目になるバイオハザードヴィレッジ。

そしてヴィレッジでは、前作の主人公イーサンの最終章となるストーリーです。

ゲームデザインがとても良い

主人公の追体験

何が起こっているかわからないイーサンの感覚をプレイヤーが体験できるように、不必要な情報が画面になく、ゲームらしい体力ゲージもダメージを受けるまで表示されないし残弾数も銃を構えるまで表示されません。

ストーリーを想像する楽しさ

ストーリー上でキャラクターが語るセリフもほとんどなく、ゲーム内ファイルやキャラのさりげない言葉回しから、ストーリーを想像していくスタイルがとても良いと思いました。

戦闘が楽しい

前作7ではストーリー中の戦闘にやりごたえを感じず、FPSゲーム、サバイバルホラーとしてはあまりロールプレイしたいと思える内容ではなかったのですが、今作ヴィレッジでは前作の不満点だった戦闘部分に力を入れているため、本当に楽しかったです。

こだわりを感じる武器

銃のディテールや、細かい挙動など開発者のこだわりが感じられ、戦闘訓練を受けたイーサンという裏の設定があるからこそ、ストーリーに戦闘要素を入れる流れも自然で良かったです。

徐々に判明する事実

ほとんど語られないストーリーも、後半になるとどんどん真実が明かされていきます。

ミスリードはいらなかった

ゲームのジャケットにもなっている半狼になっているクリスのミスリード表現は好きではないですね。

本来、PVや宣伝で提示された謎を解き明かすことが本編の醍醐味であるはずなのに、パッケージやキービジュアルが事実と異なる印象を与えることで、作品の“意図的な誤解”を助長してしまっている点は惜しく感じました。

偽クリスを倒すストーリーなら…

例えば、偽クリス(敵が化けている狼)を、本物のクリスが倒すから半狼デザインという表現だったら本当に最高でしたが。

ホラー感は正直薄い

ヴィレッジのホラー感のピークは、序盤のライカン襲撃シーンだったと思います。

特に印象的だったのは、イーサンの指が噛みちぎられる場面です。

あの瞬間は本当に驚きましたし、「今後どれだけ痛い思いをするんだろう…」という精神的な恐怖が高まった直後にライカンが襲ってくるため、緊張感が一気に最高潮に達しました。

さらに、PVでも度々存在感を示していたウリアシュの登場もあって、このシーンがホラーのピークだったと感じます。

ベネヴィエント邸は別枠ホラー

ここは言わずもがな、ちょっとやりすぎな印象でした。

とはいえ、ホラーを楽しむなら、マネキンのパートや直前のラジオ演出、さらにはその後のベビー登場までの一連の流れは非常に良かったです。

ただ、これはあくまでバイオハザード。やはり幻覚表現は、シリーズらしさという点では少し違和感を覚えてしまいました。

SFX映画みたいな敵

前作のルーカス的な立ち位置ともいえるハイゼンベルクも、やはりやりすぎに感じました。

例えば、ベネヴィエントのように精神や脳を介して直接幻覚を見せる表現なら百歩譲って許せるとしても、それでもやりすぎ感は否めません。

それに加えて、ハイゼンベルクが金属を操る能力は、正直理解しづらいところです。生物災害という一貫したテーマの中で、金属を操れるようになるという設定は、なんとなく違和感を覚えました。

ゾルダートは結構好き

例えば、ゾルダートシリーズの敵のように、人体改造されて武器化されるという設定は、これまでのバイオでも見られたため納得感がありました。

しかし、ハイゼンベルクの設定に関しては、少し極端すぎる印象です。次回作『レクイエム』では、ここまで破格な壊れ方は控えめになってほしいと願います。

イーサンの物語、最終章

前作では、一般人かと思われていたイーサンですが、まさかの『7』の伏線を回収することになりました。

  • ジャックの殺すつもりはなかった
  • 警察官の『お前もまともな人間に見えない』
  • なぜかくっつく人体の不思議

これらのゲーム的な都合によるものと思われていた要素が、まさかのしっかりとした事情ありだとは誰が予想したでしょうか。

悲惨すぎるストーリー

そもそもイーサンが辿ってきた7以降の展開って悲惨すぎませんか。

開発者はイーサンがお気に入りみたいですが、その表現方法が非常に良くない。

本当に悲惨すぎる。

  • ①嫁(当時は婚約者?)が行方不明になる
  • ②やばい家の住人に追われる
  • ③ジャックに人体を破壊される(くっつく)
  • ④ようやく脱出できたと思ったらクリスに引っ越しを余儀なくされる
  • ⑤ハウンドウルフ(BSAA)監視下になる
  • ⑥戦闘技術を教え込まれる
  • ⑦信用していたクリスにミアを殺され急に娘を攫われる
  • ⑧よくわからない化け物に娘が人体実験の人柱にされる
  • ⑨菌根と共に葬られる(多分生きてる)

これほどまで悲惨なストーリーにしようと誰が考えたのでしょうか。

ローズのその後

『Shadows of Rose』もやり込みましたが、正直これもやりすぎに感じました。

ホラー演出に全振りしているため、少し苦手に感じる場面もありました。最初から最後まで、本当に怖かったのは間違いありません。

しかし、これが本当にバイオハザードなのかと考えてしまう部分もありました。細かい演出や出来事は、この際あまり気にならないほどのホラー全振りでした。

全ての人のトラウマ、ベネヴィエント邸

このゲームをプレイしている人なら、意見はほぼ一致するでしょう。ローズ編でベネヴィエント邸に向かうことが分かった瞬間、多くの人は「次はどんなトラウマ級の恐怖演出が待っているのか…」と、楽しみ半分、逃げ出したい気持ち半分になったのではないでしょうか。

ミア人形の恐怖ふたたび

ミア人形って、本当に怖い存在ですよね。

『バイオハザード7』をプレイした人であれば、ミア本人も相当恐ろしい存在だと感じたはずです。

狂気に駆られてチェーンソーで襲いかかる姿や、エブリン開発への関与などを考えると、加害者でありながら被害者でもあるという、複雑な立ち位置が恐怖感をさらに際立たせています。

2つのストーリーが繋がるエンディング

一番驚いたのは、DLCを含めてエンディングが完成する点でしょう。

イーサン編完結時には「16年後」と表示され、正直「さすがに飛ばしすぎだろう」と思いました。しかし、DLC『Shadows of Rose』をクリアして初めて、その時間の経過や物語の理由が理解できました。

娘のために命をかけたイーサンの物語

『バイオハザード7』から続く数々の災難からやっと解放され、トラウマを抱えながらも家族と幸せになるはずだったイーサンの物語。

ほとんど一緒に過ごすことができなかった娘を救うための物語として、終盤の展開には思わず感動させられます。

そして、自らの運命を受け入れ、クリスに託す最後のシーンは、もう言葉にできないほど印象的です。

ゲームとして終わりを迎えることと、イーサンの人生の終わりを迎える2つの悲しさで溢れました。

人生の悲劇と運命に立ち向かったローズの物語

幼い頃から特殊能力(菌根の力)を制御できなかったローズは、学校でもいじめに遭い、そのトラウマと戦っていました。

おそらくローズ編で登場する人形たちの仕掛けは、実際に彼女が受けていたいじめを象徴しており、その描写は非常に生々しいです。

そんな人生の悲劇を変えたいローズと、自身の運命を知り、イーサンの思いや過去を理解しながら葛藤するローズの物語には、私はもう心を打たれました。

恐怖体験(ゲームプレイ)は私が背負うから、運命を乗り越えて幸せになってくれ、ただそう感じました。

バイオハザードヴィレッジが向いている人

まず、シリーズファンであれば、間違いなく予想できないゲーム展開を楽しめるはずです。

おなじみのクリスやBSAAの存在、そして今後のシリーズに関わるであろう数多くの伏線など、シリーズ全体の考察が好きな人にも大いに楽しめる内容となっています。

こんな方に特におすすめです。

  • バイオハザードシリーズを追いかけている人
  • FPSが好きな人
  • 多種多様な武器を使いたい人
  • サバイバルホラーをやってみたい人
  • 主人公の壮絶な人生を追体験したい人

シリーズの世界観や恐怖体験をしっかり味わいたい方は、ぜひ手に取ってみてください。

バイオハザードヴィレッジが向いていない人

前提として、『バイオハザード ヴィレッジ』はサバイバルホラーであり、FPS要素が特徴の作品です。そのため、いくつか注意点もあります。

  • バイオハザードシリーズを知らない人
  • ホラー体験を重視したい人
  • スピーディな戦闘をしたい人

また、本作はタイトルにナンバリングが入っていないため(正確には「Village」の部分にⅧが含まれています)、シリーズ未経験者でも遊べるように思えます。しかし、物語はシリーズの流れに密接に関連しており、特に『バイオハザード7』との繋がりが強いため、初めてプレイする方は状況が分かりにくく感じる可能性があります。

【さいごに】シリーズ最新作のバイオをぜひ

今回は、私の人生のゲームシリーズでもある『バイオハザード ヴィレッジ』のゲームレビュー書きました!

シリーズファンであれば、間違いなく最高のゲーム体験ができる作品だと感じます。

もちろん、不満が全くないわけではありません。『7』に続くストーリーとして考えると、ややファンタジー要素が強まり、おとぎ話の世界に入ったような印象や、ご都合主義的な展開も否めません。しかし、ゲーム体験として評価すると、大変楽しく、最後まで没入してプレイできました。

いちゲーマー、そしていちバイオファンとして、次回作『レクイエム』が待ちきれません。

ゲーム進捗

  • PS5版トロコン済み(DLC含む)

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